宮城教育大学の第3回国連防災世界会議への参加
第3回国連防災世界会議 が仙台市で2015年3月14日(土)から18日(水)まで開催される中、 宮城教育大学 はパブリック・フォーラム、スタディツアー及びバスツアーに参加し、東日本大震災後の大学の復興支援に関する取組及び持続可能な開発のための教育における防災教育の研究及び活動を紹介します。
宮城教育大学が貢献した東日本大震災後の復興活動
東日本大震災直後、宮城教育大学は教育支援による震災復興を目的とする教育復興支援センターを2011年6月に開設しました。センターでは学内外における他機関との連携によって積極的に貢献してきました。宮城教育大学は教員養成大学として、 国内の教育大学と協力し、宮城教育大学生を含む国内の大学生を被災地へ派遣し、震災後被災地で滞っていた教育の補助をボランティアで行ってきました。この取組は地域貢献へとつながり、また、参加した学生は教育支援の重要性をボランティアを通して理解を深めることができました。学生がこのような経験をすることは大変貴重であり、学生の成長過程へ影響を及ぼした有用な取り組みとして、国連防災世界会議パブリック・フォーラム ブース展示にて紹介したいと思います。
宮城教育大学の持続可能な開発のための教育の十年を振り返って:今後の防災教育の展開
持続可能な開発のための教育(ESD: Education for Sustainable Devepment)は、2011年の東日本大震災以降、防災教育の発展に欠かせない分野となりました。自然災害は現在も続いており、その度に数多くの犠牲者を出しています。現在、兵庫行動枠組(HFA: Hyogo Framefork for Action)が防災教育の基盤となっていますが、防災教育の普及並びに更なる持続可能な開発が必要とされています。 国連はESDを世界的に進めていくために2005年にESDの10年(DESD)を始め、また、2005年に開催された第2回国連防災世界会議ではHFAを採択しました。 双方10年の時を経て、絶たぬ自然災害からどのように身を守るかを模索するため、総合フォーラムでは、これまでのESDに関する議論を踏まえつつ、防災教育、復興人材育成、レジリアントな地域づくりなどの持続可能な防災構想におけるESDの位置付けを話し合います。
DESDについて
環境問題、人権問題、紛争等、国際的な課題を克服するためには、持続可能な開発のための教育は欠かせない要素の一つであります。そこで、2002年12月の国連総会では、ESDを世界的に進めていくために、2005年から2014年を「持続可能な発展のための教育の10年」とすることが採択されました。ユネスコはESDの支援組織となり、ESDを教育へ導入するためにユネスコスクール・プロジェクト・ネットワーク
(ASPnet)が設立しました。宮城教育大学はASPnetのメンバーであり、ESDの展開及びネットワークの構築を積極的に実施しております。
HFAについて
第2回国連防災世界会議に採択されたHFAもまた、DESD同様、今年で10年を迎えました。HFAでは、自然脅威に対する脆弱性を軽減する戦略的、
体系的な手法により、災害に強い国・コミュニティを構築する具体的な方法を特定しており、2005年から2015年の間に実施する具体的優先事項を述べています。2011年の大震災後、宮城教育大学ではASPnetのメンバー校として、復興支援及び復興人材の育成等の防災・減災に力を入れてきました。
特に、従前から連携関係にあった気仙沼市等の被災自治体の教育委員会とともに、ESDにおける防災と生きるちからをもった人づくりなどについて
研修を実施しました。その結果、震災の教訓より、持続可能な防災・減災を実現させるためのESDの役割を見出し、現在の防災教育に至ることができました。
過去10年を振り返って
2014年11月、岡山(5−8日)及び名古屋(10−12日)にて、DESDを振り返り、ESDを見直す国際会議が開催されました。
会議では「あいち・なごや宣言」が採択され、防災教育を始めとする分野においてESDを促進させる重要性を再確認し、
DESD後の方策を締結し、今後のESDの発展を示しました。更に、第3回国連防災世界会議の際、
HFAの後継枠組みがHFA2として世界の防災政策の柱として採択される見込みです。
フォーラムでは、今後の防災教育の発展について、ESD実践例をもとに議論を行いたいと思います。
フォーラムでは
宮城教育大学は、文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会とともに、防災・減災における
持続可能な開発のための教育(ESD)が果たす役割について考えるフォーラムを開催します。
防災・減災はESDの中心的なテーマの一つであり、特に東日本大震災後はESDの役割が注目されています。
2014年11月には、ESDに関するユネスコ世界会議で「あいち・なごや宣言」が採択され、
今後いかにESDのコンセプトを防災・減災に取り入れるかを考える必要性が更に高まりました。
効果的な展開を図るため、本フォーラムでは、被災地での実践事例とともに、
持続可能な開発のための教育の防災教育への貢献について議論いたいと思います。